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俺の友達紹介で初めて湘南美容クリニックに行くと今ならお互いに5000円分のポイントが貰えるよ。よかったら行ってみてね! 後藤輝樹 お客様番号:200 0007 180178 湘南美容クリニック横浜東口院

本の感想&まとめ「水力発電が日本を救う―今あるダムで年間2兆円超の電力を増やせる 竹村 公太郎著」

ご依頼を頂きました。
 
感想としては、
水力発電はもっと効率よく活用する余地があるなぁと思い、
法改正をすべきだと思いました。
中小水力発電を開発し、
水力発電のエネルギー自給率を現在の9%から、
30%まで引き上げるよう、
和多志は政治家として実現します。
あと、氣になったのは、
砂防ダムですが、
最近の台風災害のような事が起きれば、
砂防ダムが利益を上げる前に、
砂防ダムとしての役目を終えてしまう氣がしたのですが、
その点の収益や運用は、どうなのだろう?と思いました。
砂防ダムは、土砂災害を防ぐためのダムなので、
砂防ダムに土砂が埋まれば、砂防ダムは役目を終え、
発電としての機能は使えないのでは?という事です。
その場合の運用リスクも考える必要はあるかと思いました。
本には、そのリスクは書かれていなかったので。
一応、言うておくと、土砂が溜まり、役目が終えた砂防ダムも、
水の流れを減殺するので、治水としての機能は残ります。
 
という事で、
忙しいあなたのために、
僕がまとめておきました。
それ以上の詳細を知りたい方は、
本を買って、読んでください。
では、どうぞ~。
 

【なぜダムを増やさずに水力発電を2倍にできるのか?】

運用を変えるだけで
簡単に発電能力がアップできる。
 
水力はもうこれ以上開発できない、
コストが高いというイメージを覆す、
目から鱗が落ちる事実を提示する。
 
水力発電を増やすと言えば
新規のダム建設を目論んでいると思われても仕方がない。
 
だが違う。
巨大ダムを増やすことなど考えていない、
というより、
もう造れないと言ったほうが正しい。
 
もう日本では、
(各地方の流域に役立つ中小規模のダムは必要となるが)
巨大ダムは増やせない。
 
なぜなら
巨大ダムは犠牲が多いからだ。
 
ダムが増やせなくても
水力発電は増える。
 
ダムを増やすことなく
2倍3倍に増やす事は可能である。
 
そして、
この豊かな電力量が半永久的に継続する
 

【日本のダムは水を半分しか溜めていない】

意図的に
水を半分くらいしか
貯めてないのだ。
 
なぜなら、
災害時に備え、
雨量が多い時期に、
ダムから放水して、
ダムの空の容量を維持しているからだ。
 
現在の日本の多目的ダムは
これが常識なのだ。

【多目的ダムの矛盾】

日本のダムには
主に2つの目的がある。
 
それは利水と治水である。
 
利水というのは水を利用すること。
治水と言うのは洪水を予防すること。
 
この2つの目的を
果たそうとしているのが多目的ダムだ。
 
この2つの矛盾した目的があるために
両者の折衷案として、
ある程度の水は貯めるものの、
ある程度は空にしておくしかない。
 
これを解決する方法として、
結論をまとめると次のようになる。
 
洪水予防のためであっても、
普段から
ダムを大きく空けておく必要は無い。
 
台風などの大雨が来る直前に
ダムを空ければ、
十分に洪水は防げる。
 
では、何故
そのようにダムを運用しないのか。
 
一般の社会では
信じがたい話かもしれないが、
 
50年以上も前の社会状況下で作られた法律が、
21世紀の今でも使われているからだ。
 
台風のために、
普段から貯水量の大きな容量を
空けておかなければいけないのは、
すべて昭和30年代の社会事情と技術水準に合わせて
規定されているからだ。
 
つまり、
天気予報の精度が
今に比べて格段に低かった時代に合わせたルールを
半世紀経った今でもまだ守っている。
 
科学技術の進歩により、
多目的ダムの2つの目的である
治水と利水の矛盾を、
限りなく小さくすることが可能になった。
しかし、
半世紀以上前の法律がそのままになっているため、
せっかくの技術の進歩が活かされていない。
 
理由は簡単だ。
 
ダムを造る技術などのハード面には予算が付くが、
ダムを効率的に運用するなどのソフトには、
あまり予算がつかないからだ。
 

【日本のダムは油田】

ダムに貯められた雨水は石油に等しい。
まるでダム湖は国産の油田のように見える。
 
しかもこのエネルギー資源は、
雨が貯まれば貯まるほど増え、
まるで魔法のように涸れる(かれる)ことがない。
 
ただし
雨ならば
何でも石油と同じというわけではない。
 
高い山、大量の雨、そして川をせき止めるダム。
 
この3つが揃った時にだけ、
水は石油になる。
 
なかなか、
3つの条件は揃わない。
 
ところが、
現在の日本には3つが揃っている。
 
この日本列島に暮らす私たちは幸運なのだ。
 
それなのに、
ダムに水を貯めない現実がある。
 
これは非常にもったいない。
 
ダムがあってこそ、
日本はエネルギー資源大国となれる。
 
巨大ダムは
大きな犠牲を払って造られたものである。
だからこそ、
この遺産を無駄にする事は許されない。
 
有効に使っていけなければ、
過去に犠牲を強いた人々や
自然環境に対して申し訳が立たない。

【ダムは半永久的に壊れない】

あの東日本大震災の時も、
本体が壊れたダムは皆無だった。
 
約100年経った古いダムが、
巨大地震にさらされても全く大丈夫だった。
 
日本は地震国であり、
明治以降にも
頻繁に大きな震災が起こっているにもかかわらず、
全国の何千というダムには、
ダム本体が壊れた例は無い。

ダムが壊れない理由その1

コンクリートに鉄筋がないからだ。
鉄のサビでコンクリートが劣化することがない。
そして
ダムのコンクリートは天然の岩と同じなのである。
だからコンクリートダムは壊れない。

ダムが壊れない理由その2

固い地層に
直接コンクリートを打って
基礎にしているので
ダムが岩盤と一体化しているからだ。
 

ダムが壊れない理由その3

コンクリートダムの場合
コンクリートの厚みが
数十mから200m以上にも達し、
巨大な山と化しているからだ。

水力発電は発電量の調整が容易】

一日の中での電力の需要の変動に応じて
発電量の調整が容易だという利点がある。
 
火力発電や原子力発電などは、
どうしても夜の間の発電量が無駄になる。
 
その無駄を小さくするのに、
水力発電が役立っていた。
それは揚水発電というものである。
 
また、
水力発電には、
需要を調整できる逆調整池ダムというものがある。
逆調整池ダムを
新たに建設しても環境破壊になる事はないし、
規模が小さくて工事費も少ないので、
コストも極めて安く済むという長所がある。

【水を貯めたままダムに穴を開ける】

日本全国の川に、
すでにダムが存在している。
一級河川には国が造ったダム、
二級河川には都道府県が造ったダムがある。
 
しかし発電設備のないダムが多い。
 
非常にもったいない。
 
発電設備のないダムでも
ダムに穴を開けることで
発電することが可能になる。
 
ダムのコンクリートに穴を開けるなんて、
できたとしても大工事で
コストがかかるに違いないと思いきや、
ダムに穴を開けるのは実は簡単。

【ダムの嵩上げ】

第一章では
多目的ダムは運用を変えて
ダム湖の水量を増やせば
発電力が格段に増すと述べたが
もう一つ、
ダムを活用できる方法がある。
 
ダムの嵩上げ(かさあげ)である。
 
嵩上げとは何か?
 
簡単に言うと、
既存のダムを高くすることである。
 
例えば、
高さ100mのダムがあるとする。
 
このダムを、
あと10m高くすれば、
それだけ多くの水が貯められるし、
水位も10m上がる。
 
ダム湖の水は量が多いほど、
効率が良くなるし、
ダム湖の水位も高い方が良いのが原則だ。
 
その水量と高さに比例する。
 
100mから110mに上げれば、
高さ的にはたった10%の違いであるが
電力で考えると、
単純計算でも発電量は約70%も増える。
 
たった10%の嵩上げで電力が倍になる。
 
つまり
10%の嵩上げは
ダムをもう一つ造るのと同じ。
 
北海道の夕張シューパロダムでは
ダムの高さを約1.5倍にしたことで貯められる水が、
なんと5倍近くにまで増えた。
 
このように
ダムを嵩上げすることで、
意外なほどに貯められる水は増えるし、
発電能力も激増する。
 
新しく巨大ダムを造る場合は
人々の暮らす村を丸ごと水没させてしまうが
既存のダムの嵩上げは、
新たに村を水没させるような事はない。
 
ダムの嵩上げは
新規ダムの建設よりも
ずっと安価に行われるにもかかわらず
ダムを新しくもう一つ造るのと同じほどの電力増を可能にしてくれる。

水力発電コストは支払い済み】

水力の場合、
初期の設備投資が全てで、
燃料費は永遠にかからない。
水力発電の原料費はタダなのだ。

【100年後200年後にこそ貴重になるダム遺産】

現在、
日本の総電力供給量に対する
水力発電の割合は9%ほどだ。
 
日本のダムの潜在的な発電能力を引き出せば
30%まで可能だと試算している。
 
100年200年先を見据えた持続可能な水力発電モデルとして、
方策は4つある。
 
第一に、
多目的ダムの運用を変更すること
河川法や多目的ダム法を改正して、
ダムの運用法を変えれば、ダムの空き容量を発電に活用できる。
 
第二に、
既存のダムを嵩上げすること
これによって、
新規ダム建設の3分の1以下のコストで
既存の発電ダムの能力を倍近くに増大できる。
 
第三に、
現在は発電に使われていないダムに発電させること
 
第四に、
逆調整池ダム建設によるピーク需要への対応すること

【中小水力発電の具体的なイメージ】

日本には多数のダムがあり、
全国で新たに中小水力発電に利用できる箇所は、
数千のケタに上る。
例えば、
2011年に環境省が行った調査では、
出力3万kW未満の水力発電
新たに開発可能な場所は2万か所以上あり、
その全てを開発すると、
総電力は1400万kWに上ると試算されている。
中小水力発電の潜在力は思いのほか大きい。

【発電に利用されていない砂防ダム

砂防ダムとは、
砂を貯めるダムである。
災害時、土石流の危険に備えるためにある。
現在の日本では、
山間の渓流に小さな砂防ダムが多数あるが
砂防ダムをいくつも造るのは
土石流のエネルギーを殺す目的で作られている。
 
つまり
治水が目的のダムなので、
水力発電に利用されることが今まではなかった。
こうした砂防ダムを発電させることで日本の水力発電量が増える。
日本にとって貴重な財産となる。
 

【少なくとも200兆円分の富が増える】

日本に1年間に降る雨や雪の位置エネルギーを、
全て水力発電で電力に変換されると
7176億kwhになると試算されている。
 
今の日本で1年間に発電されている電力量は
約1兆kwhだから、
もし水力を完全に開発できれば、
電力需要の70%ほどを賄える計算だ。
 
現在の水力発電の電力量は900億kwh強であり
理論値には程遠い。
 
仮に水力発電の電力量が
現在より1000億kwhだけ増加したとする。
1kwhあたりを20円とすると、
1000億kwhの電力料金は年間で約2兆円分にあたる。
つまり、
少なく見積もっても
水力発電という純国産のエネルギーが
毎年2兆円分も増加する。
 
しかもダムは、
維持管理をしながら半永久的に使える。
 
仮に100年しか使えなかったとしても
100年で200兆円分の電力を余計に生んでくれる計算になる。
 
つまりダムとは、
この先の日本に
200兆円を超える富を増やしてくれる巨大遺産。
 
この遺産を十分に活用すべきだ。
 
日本にとって再生エネルギーの中心は水力発電
純国産エネルギーであり無限であり無料。
未来の日本社会を支えるエネルギー基盤になる。

【電力源分散化の時代には中小水力発電が有効】

水力発電開発について整理すると
主な開発の方向は次の4つに分類できる。
 
1
多目的ダムの運用変更
2
既存ダムの嵩上げ
3
発電に使用されていないダムでの水力発電の実施
4
砂防ダム・農業用水路などにおける1000kW以下の小水力発電
 
日本列島には
川の流れる山岳地帯がどこにでもある。
 
ダムも既に数多く造られている。
 
日本列島のすべての地域で
中規模及び小水力発電の可能性がある。
ところが現実を見ると
水力発電の開発はほとんど進んでいない。
 
大きく前進させるためには
「小水力発電は、
今までのように水源地域を犠牲にする開発ではなく、
逆に、水源地域のために開発する。
水力発電による利益は水源地域に帰属する」
 
日本の水源地域に明るい未来を示すカギは、これなのである。
 
活性化するためには
水力発電を目的にするのではなく
水源地域の活性化そのものを目的にすること。
 
水源地域を活性化させる小水力発電実現のためには
3つの構造が必要である。
 
1
水力開発の専門家集団が
事業計画を支援し立案し、
その事業の判定を行っていく
2
保証実施団体が後ろ盾となり、
事業資金を地方の金融機関から調達する
3
スペシャルパーパスカンパニーという
市町村の水力発電所を運営するための体制を整えることである

【小水力発電の収支】

水力発電の収支として、
 
1つ目のケースは
発電施設を後付けするやり方で
500kW規模の水力発電を行うとする。
この場合、
最初の15年~18年は、年に700万円の利益。
その後は売電価格にもよるが、
売電収入7300万円全てが収益となり、
維持管理費を引いた額が純利益となっていく。
 
2つ目のケースとして、
もう少し小規模な発電施設の場合は
借入金の返済18年かかり
その間は
発電施設1基あたり820万円が残り、
返済後の19、20年目は
2490万円が残る計算となる。
 
どちらのケースでも、
発電所の機械に寿命はあり、
機械の更新は必要だが、
ダムは事実上、
寿命がなく、
半永久的に使える。
だから
発電施設の寿命に備えて
利益をプールしておけば
次回からは融資を受けずに済むので
さらに有利に運営できる。
 
このように、
村の発電所からの利益は
村にとって独自財源になる。
 
つまり小水力発電
将来のエネルギー枯渇に備えるだけでなく
地方の自立にもつながっている。
 
特に人口が
数千人規模の山村にとって
この財源は大きい。
 
もし、
村に砂防ダムが5つあれば
そのすべてで
水力発電が可能となるので
収支の数字は5倍になる。
 
この財源があれば
過疎の村にも若者が戻ってくる。
村の森林の環境保護
過疎対策、観光誘致や企業誘致など、
未来につながるような
有効な事業に自らの判断で使うことができる。
 
そして
電力の固定買い取り制度の対象になっており、
小水力は太陽光や風力よりも
比較的買い取り価格の優遇を受ける事が可能だ。

議員立法で実現を目指す】

水力発電実現には、
環境省など、
数多くの行政が関係してくる。
 
残念ながら
省庁には縄張り意識があるので、
実現するためには
立法府の政治家が議員立法で成立させるしかない。

【未来のエネルギーと水力発電

水力発電の目標は
拡大ではなく持続可能で。
水源地域の持続可能な活性化の発電モデルは小水力発電にある。
 
水源地域が主体となった小水力発電事業のためには、
先にも記載したが、
・水源地域事業を支援する水力発電専門技術者集団の支援センターの設立
・水源地域事業を支える地方銀行と事業保証システム
・水源地域が小水力発電の利益を一身に受けるための社会的合意
が必要となる。
 
この構想実現は立法府の国会、
行政府の各省庁の協力体制なくしてはできない。

【100年後200年後の持続可能なエネルギーはなにか?】

太陽光、風力、地熱そして水力であるが、
その中で最も可能性があり、
確実なエネルギーが水である。
 
水のエネルギーといっても
水力発電のみを意味しない。
 
水は水素を生んでくれる。
 
水力の弱点は
持ち運びできないことだが、
水から生まれる水素は持ち運びができる。

【集中から分散へ】

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水力発電で最も重要な点が分散性なのだ。
日本全国のどの場所にも水がある。
日本全国のどの水源地域でも水の力で電気を作れる。
つまり
水素の製造と貯蔵技術が進展すれば、
日本全国の水源地域で
エネルギーが手に入ることになる。
 
水という原材料は、
一切輸入する事はない。
 
すべて、
日本国産の原料と技術による、
持続可能なエネルギーが手に入る事が可能だ。